Usual Dad ぷらす

酒、ロックンロール、闘う男 ぷらす

肉うどん

 

 

っていやぁよ。

まぁ、普通は、

醤油煮のバラ肉がポスッとのってるヤツだわな。

まぁ、福岡の肉うどんも基本はそうなんだが、

 

 

 

 

あぁ。大事なことを説明するの忘れてた。

 

まず、関東出汁と九州出汁(関西出汁)が、

全く別モンっちゅう事ね。

 

オレ、

 

上京初日の東京駅で食った立ち食いうどんに、

カルチャーショックw。

 

“うどん、茶色く染まってるやんか”

 

 

 

 

 

 

 

時は流れ、

 

関東出汁も醤油ラーメンも、

 

立ち食い屋(それは高島平w。)

の真っ黒いスープに、

コロッケ沈めてメンチカツ入れて、

ナス天と生卵落とした真っ茶色のうどんも

普通に喰えるようになったオレが、

 

九州に戻ることになった。

 

 

 

久しぶりの九州の味は、

 

何喰っても、とてつもなく美味い。

 

“あぁ。オレはここの人間だ”

 

 

 

なぁんて感じて過ごしつつ、

そんなオレに、

ちょっと歳上の彼女が出来た。

 

彼女は、

 

いわゆる、

悲しい歴史を背負った地区の出身だった。

 

 

“ドキドキうどん食べに行こうよ”

???????

なにそれ?

“美味しいよ-”

 

ドキドキするw。

 

住宅街の民家の隙間にその店はあった。

 

“おばちゃん、肉肉うどん二つ”

 

おお。“肉肉”って注文するのかw。

常連具合が、ちょっと嬉しい。

可愛いなぁ。よしよし。

連れてきてくれてありがとう。

 

テーブルにタッパー。中には大量のおろし生姜。

 

“コレは?”

“食べ方教えるから見てて”

 

“おまちどおさま”

“おばちゃん、ありがとー。”

 

!!!!!!!!!!!!!!!

 

え?

出ちゃったぜ。

まさかの北九州で真っ黒いスープ!

 

つか、

麺見えない量の

このサイコロステーキみたいな肉はなんだ?

 

ほじってみりゃあやっぱ、麺茶色いし!

 

“んでねー”

 

彼女はタッパーの中のおろし生姜を、

二人の丼に半分ずつどっさりと。

 

やっぱ生姜?生姜なの?

 

“そ。いっぱい入れると美味しいの”

彼女は、

“おばちゃーん、オロシガネちょーだい”

おばちゃんの持ってきたオロシガネで、

更に生姜を擦りだしたw。

それをドンドンオレの丼に。

生オロシ、イーンw。

 

どぎつい真っ黒な、

醤油スープに大量の肉、

その上をみぞれ鍋の様に覆うおろし生姜。

 

そして、

たまらん、いい匂い。

 

“こりゃあ、生姜混ぜずに絡めて喰うんだな?”

“そ。”

 

生姜と麺と、謎肉を絡めて喰う。

 

 

美味ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい。

 

 

なんだコレ。

食ったこと無いぞ。

 

 

味は牛肉だけど、食ったこと無い味わい。

今の時代でこそ普通だけど、

当時知らなかったその味わい。

大量の脂身のこの口当たり。

ほどけた肉と、うどんと、生姜がタマランぞ。

そして、

コレは九州出汁では成り立たん。

美味すぎる。

 

 

 

“この肉何?”

“牛の頭肉”

“何でみんな知らんの?”

“だって頭肉食べるの、

 この辺に昔、屠殺場があったからなの”

“こーゆーのソウルフードって言うんでしょ?”

 

 

屈託なく話す彼女にオレはドキドキしたw。

 

 

“何でドキドキうどんって言うの?”

“知らんw。”

 

 

彼女の男前さに気付いた時、

オレはこの娘と結婚したいと思ったのであったw。

 

 

 

 

 

結局、彼女と一緒になることはなかった。

 

 

随分、時間が経ったけど、

 

 

彼女、今、

 

 

幸せだと良いなぁ。

 

 

 

 

あの“ドキドキうどん”

 

 

一緒に食べたいな。