Usual Dad ぷらす

酒、ロックンロール、闘う男 ぷらす

紋モン狂想曲

離婚してからオレは、

誰が見ても酒に溺れていた。

 

行きつけのバーで、笑った拍子にションベン漏らしたり、

自律神経ぶっ壊れて、思考回路もグダグダに。

 

そのバーには、いろんな友達が居て、

その中に、某“反社組織”の代貸何かも居て、仲良くしてた。

 

酔い潰れては“息子”の名前をブツブツ言ってるオレに、

その代貸が、

“そんなら身体に息子の名前刻んでみるか?”

って言ってくれた。

“え?”

“背中に観音様に来て貰ってさぁ。玉(ぎょく)持って貰って玉に名前容れんの”

 

酔ってるオレ。

『何てぇ魅力的な解決法なんだ』

“是非やりたいよ”

“じゃあ明日、彫師さんのとこ行こう”

 

んで、一緒に彫師さんのとこに。

緊張していると、まさかの“面接”

 

“ふーん。彫りたい理由は解った。”

“んでさ”

“あんた、二度と子供つくらないんだね?”

 

“は?”

“次の女や次の子供が、それ見ても悲しまないかな”

 

“もう子供つくらないな?”

“自信ないです”

 

まだ20代のオレは即答出来なかった。

 

 

“じゃあ、あんたに観音様はヤメ”

“ちょ。◯◯さん”

代貸も色々計算が狂ったw。

 

二人は諦めてスゴスゴ帰った。

 

あの時、観音様背中にお迎えしてたら、

人生変わっちゃってたんだろうなぁ。

 

今もオレの背中は“まっさら”ですw。